アスファルトシングルは雪止めができない!特徴と注意点を紹介
「アスファルトシングルの屋根に雪止めって必要?」
「アスファルトシングルに雪止めは後付けできる?」
日本では見かけることが少ないアスファルトシングル屋根ですが、防水性や防音性に優れた素材です。
アスファルトシングルは海外では屋根材として一般的ですが、日本では2007年6月に建築基準法が改正され、使用が許可された素材です。
使用する際には雪止めを後付けできないなど、把握しておいたほうがよい情報もたくさんあります。
本記事では、アスファルトシングル屋根の特徴や使用するメリット・デメリットなどを紹介します。
目次
アスファルトシングル屋根は雪止め不要って本当?
アスファルトシングル屋根は雪止めが不要という業者やサイトもありますが、雪の降る地方にお住まいの場合は、雪止めの設置をおすすめします。
万が一落雪が発生してしまうと、人やモノに被害を与えてしまうリスクが大きいです。
アスファルトシングル屋根でも雪止めは付けた方が安心です。
ただしアスファルトシングルは後付けで雪止めを設置できないため、お家を建てる際に設置してもらいましょう。
アスファルトシングル屋根は雪止めの後付けできない
アスファルトシングル屋根は雪止めの後付けができないため、屋根を施行する際同時に設置を依頼しましょう。
アスファルトシングルはシート状の屋根材で、隙間がなくなるように屋根へ貼りつけるものです。
簡単に剥がれないように接着剤を使って固定しているため、雪止めの金具を後から差し込むことができません。
そのため、アスファルトシングルには雪止めの後付けができません。
雪が降る地域では、後からトラブルにならないように、雪止めはお家を建てる際に設置しておきましょう。
雪が降る地方では雪止めの設置がおすすめ
アスファルトシングル屋根に限らず、雪が降る地方では雪害対策として雪止めの設置がおすすめです。
アスファルトシングルは表面に細かい石粒をつけた凸凹した素材で、雪止めの効果があると言われています。
ただし、それだけでは十分な雪止め策とは言えません。
そもそも日本でアスファルトシングルの施工が可能になってからまだ歴史が浅く、実績が豊富な専門業者は多くありません。
そのため、多少の雪だと雪止めは不要と言われることもあります。
ただし思いもよらない大雪や雪害が発生することもあるので、雪の降る地方ではアスファルトシングルに限らず、雪止めは必要です。
雪止めは、屋根からの急な雪の滑り落ちを防ぐのに役立ち、自分たちだけでなく歩行者や近隣住民への被害も最小限に抑える助けとなります。
アスファルトシングル屋根は特に後付けができないため、安全を確保するためお家を建てる段階から雪止めを設置するべきです。
アスファルトシングル屋根の特徴
アスファルトシングル屋根の特徴について紹介します。
・アスファルトシングルの素材
・アスファルトシングルの耐用年数
・アスファルトシングル材に葺き替えする場合の費用相場
アスファルトシングル屋根を使用するときに知っておきたい知識なので、ぜひご覧ください。
アスファルトシングルの素材
アスファルトシングルはアメリカやカナダなど、北米でメジャーな素材です。
アスファルトシングルはシート状の素材にアスファルトをしみ込ませたものです。
柔らかい素材なので、簡単に切ったり曲げたりできます。
軽量で割れたりしないため運搬も容易であり、建物への負担も最小限に抑えられます。
日本でも、2007年6月に建築基準法が改正されてアスファルトシングルが使えるようになり、施工数が増えているようです。
カラーバリエーションも豊富で、洋風の建物だけではなく和風家屋にも使われています。
アスファルトシングルの耐用年数
アスファルトシングルの耐用年数は、使用する建物の環境にもよりますが、一般的に10~30年程度です。
経年劣化した場合は、葺き替えやカバー工法などでメンテナンスができます。
アスファルトシングル屋根は強風に弱くて剥がれやすいという欠点がありますが、早めに気づけば簡単な補修だけで済みます。
部分修理だと時間や費用の負担も軽く済むので、劣化症状が深刻化して修理費用が高くならないよう、定期的なメンテナンスが大切です。
アスファルトシングル材に葺き替えする場合の費用相場
アスファルトシングル屋根にかかる費用は建物の状態や業者によって異なります。
既存の屋根材からアスファルトシングル屋根に変えたいと思ったら、葺き替え工事で対応可能です。
屋根のリフォームの相場は、一般的な30〜40坪程度の家の場合、葺き替え工事の費用相場はおおよそ100~130万ほどです。
ただし、屋根の広さや足場設置のしやすさ、既存屋根の種類によっても費用は変わるため、事前に見積もりを依頼しましょう。
アスファルトシングル屋根のメリット
アスファルトシングル屋根には下記のようなメリットがあります。
・軽くて柔らかいので加工しやすい
・防音性が高く雨音が静か
・防水性に優れている
・サビに強く割れにくい
・耐震性が高い
シート状なので建物や屋根の形が個性的でも、それに合わせた形状にカットできます。
これによって、設計の自由が高くて使いやすいです。
素材が軽いので建物に負荷がかからず耐震性も高くなります。
サビにも強くて割れにくいので、屋根材に向いている素材です。
アスファルトシングル屋根のデメリット
アスファルトシングル屋根にはデメリットも存在します。
・雪が降る地方では雪止めが必要
・強風に弱く、剥がれる可能性もある
・水はけが悪く、コケや藻が生えやすい
・取り扱っていない業者がある
台風などの強風のあとには剥がれや浮きがないか、表面の石粒が飛んでいないかなど、こまめな点検・メンテナンスが大切です。
アスファルトシングル屋根のメンテナンスが必要な劣化症状
アスファルトシングル屋根のメンテナンスが必要な劣化症状は下記の2つです。
・剥がれや浮きが発生している
・表面が劣化している
このような症状があるときには、メンテナンスが必要です。
しかし、素人が屋根に登って施工するのは危険なのでおすすめしません。
正しく施工できていないと雨漏りなどの心配もあるため、信頼できる業者に依頼しましょう。
遠くから屋根を眺めて不具合があれば、業者に相談してみましょう。
剥がれや浮きが発生している
アスファルトシングル屋根は強風に弱く、剥がれや浮きがある場合はメンテナンスが必要です。
アスファルトシングルの剥がれた部分があれば、専用の接着剤で貼りあわせます。
剥がれや浮きを放置していると、素材が風によって飛ばされてしまうことがあります。
アスファルトシングルは軽い素材です。
飛んでいってしまわないようこまめに点検を行い、早期に不具合を発見して修理しておくと安心です。
剥がれや浮きがあれば早めに専門の業者にお願いしましょう。
表面が劣化している
アスファルトシングルの表面についている石粒は、風で剥がれ落ちてしまいます。
石粒が落ちてしまうと、アスファルトシングルの下地が見えてしまい、防水性も低下してしまいます。
下地が劣化してしまうと部分修理や補修では対応できなくなるため、定期的なメンテナンスが必須です。
水性塗料を使用して表面を補強できるため、劣化が心配な方は業者への相談を検討してください。
アスファルトシングル屋根の雪止め設置は信用できる屋根修理業者に頼もう
アスファルトシングル屋根は雪止めの後付けができません。
表面にざらつきがあるため多少の雪なら滑らないようにできているものの、雪の降る地方では設置していたほうが安心です。
アスファルトシングルを検討している場合は、念のためあらかじめ雪止めの設置をおすすめします。
アスファルトシングルは加工しやすい素材なのでDIYを実施する人もいます。
ただしうまく屋根を修理できなかったり屋根から落下したり、屋根に登った際に正常な屋根材まで傷つけてしまう恐れがあるため、DIYはおすすめできません。
アスファルトシングル屋根を施工したいと思ったら、実績のある信頼できる業者に施工をお願いしましょう。
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内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。