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コラム

雪止めの効果的な設置方法とは?形状ごとの特徴も解説

雪止め(瓦屋根 平板瓦用雪止め)2
「雪止めのタイプごとの効果は違う?」
「効果的な設置方法を知りたい」

雪が降る地域では、このように雪止めに関する情報を把握しておきたい方もいるでしょう。
雪止めとは、金具やネットを用いて屋根に積もった雪が落下しないように予防する部材を指します。

本記事では、雪止めを効果的に使える方法を解説します。
具体的には、以下の4つです。

・雪止めの効果
・タイプ別の効果
・設置上の注意点
・業者選びのコツ

記事を読んでいただくと、雪止めを設置して得られる効果がわかるでしょう。また信頼できる業者探しの方法も説明しています。
安心して施工を任せられる業者を探すためのポイントを理解できるでしょう。

 

雪止めを設置するとどんな効果がある?

屋根の雪3

雪止めを取り付けると、以下の4つの効果があります。

・人身事故を防ぐ
・設備や建物の破損を防ぐ
・近隣への被害を防ぐ
・雨樋の破損を防ぐ

それぞれの内容を解説します。

 

落雪による人身事故を予防できる

雪止めは落雪を予防する効果があります。
落雪が発生した際に屋根の下に人がいると、人身事故が発生する可能性があります。
事故を防ぐ、もしくは軽減するために雪止め金具はとても有効です。
落雪はいつ起きるのかわからないので、雪止め金具やネットを設置して万が一に備えておくことをおすすめします。

 

落雪による設備や建物の破損を予防できる

落雪すると敷地内の設備や建物が破損する恐れがあります。
落雪箇所の下にカーポートやエアコン室外機、車などがある家は落雪予防するのが得策です。
設備の修繕費は、小規模であっても高額になる傾向があります。
長い目で見ると雪止めを設置したほうが費用を抑えられるでしょう。
落雪による設備や建物の破損を予防するためにも設置は必要です。

 

落雪による隣家とのトラブルを予防できる

隣家の住宅や車などに落雪してしまうと、破損を招く要因になります。
そのため落雪予防をしていない場合は、隣家とのトラブルが発生する可能性が高まります。
特に車に対する落雪によってボディに傷をつけてしまうと、小さな傷でも高額な修理費用が発生してしまいかねません。
落雪予防をすると、隣家とのトラブルを予防することが可能です。

 

雪が雨樋に積もるのを防げる

雨樋に雪が積もると、重さで大きな負担がかかります。
負担がかかると、変形したり壊れたりする恐れがあり危険です。
雨樋が壊れると、雨水が直接外壁を伝って、ひび割れや窓まわりの隙間に浸入する可能性があります。
そういった状況が長く続くと、外壁内部の防水シートが劣化し、雨漏りが発生することもあるでしょう。
雨樋に雪を積もらせないためにも、落雪対策をしておくと安心です。

 

雪止めの種類ごとの効果の違い

アングルタイプ

雪止めの種類には、主に以下の4つがあります。

・扇形
・羽根つき
・アングルタイプ
・ネット

それぞれの効果をします。

 

扇形の雪止めは効果が低め

扇形の雪止めは、落雪を予防する効果はやや低めです 。
作りがシンプルなので、景観を壊しにくいメリットがあります。また、業者によっては雪止めの色を塗り替えてくれるサービスもあるので、より景観に合わせることが可能です。
耐久性を重視する場合は、ステンレス製の雪止め金具がおすすめです。
扇形の雪止め金具は、主にスレート屋根によく使用されています。

 

羽根つきの雪止めは効果が中間程度

羽根つきの効果は、扇形とアングルの中間程度の落雪防止の能力があります。
見た目の主張もそこまで大きくないので、雪止めの効果をしっかり発揮しつつ、景観を大きく崩すこともありません。

屋根や積雪の状況によっては、2、3段に取り付けて効果を上げる場合もあります。

 

アングルタイプの雪止めは効果が高い

アングルタイプは、金具同士の隙間を長い棒状の金具を取り付けて埋めます。
そのため、上記の扇形や羽根つき形と比べると落雪を防止する効果が高いです。
よって、扇形や羽根つきの効果が不十分な場合に用います。
特に、屋根面が滑りやすかったり急勾配だったりする場合には、アングルタイプがおすすめです。

 

雪止めネットは効果が高く太陽光パネルと併用できる

太陽光パネルのある屋根にも設置できるのが特徴です。
特に、背の高いネットを設置する場合、落雪を防止する能力はとても優秀になります。
ただし、屋根の軒先部分まで太陽光パネルが設置されている場合は、取り付けられないケースがあるので注意が必要です。
積雪量が多い地域や傾斜が急な屋根にも向いています。
また、屋根の軒先に設置するタイプの雪止めなので、他の雪止め金具と組みわせてさらに効果を高めることも可能です。

 

雪止めの費用対効果

費用3

設置費用は屋根の大きさや形状、現場の状況によって変動します。
効果が発揮されるように、既存の屋根に合った雪止めの個数や配置方法を決めていきます。

 

扇型や羽根付きタイプの設置費用は、足場なしで13~16万円ほどです。
扇型は拳のような形状をしているのが特徴的です。
シンプルな見た目なため、屋根に馴染みやすい利点があります。
ただし雪止め効果は低めです。
羽付きは、雪を食い止められる範囲が広くなるため扇型より効果が上がります。

 

さらに効果が高いのがアングルです。
アングルは棒の形状をしているため、金具同士の隙間を埋めて少量の雪でも食い止められる効果があります。
設置費用は足場費用なしで15~20万円ほどです。
足場が必要な場合は、別途10~30万円ほどかかります。
アングルは金具タイプの中では最も高い効果を期待できます。

 

雪止め全体の中で最も効果を期待できるのがネットタイプです。
設置費用は足場費用を含めて15〜46万円ほどが相場になります。
「あとから雪止め」で設置した際は、足場費用なしで6〜13万円ほどが多い傾向です。

 

効果だけではなく無視できない雪止めのデメリット

雪止め(瓦屋根 和瓦用雪止め)6

雪止めは落雪予防に効果的な手法です。
しかし、設置することで以下のようなデメリットもあります。

・デザイン性が低下する
・メンテナンスが必要になる
・雨漏りの原因になりやすい

それぞれの内容を説明します。

 

屋根のデザインが低下する

雪止めを設置すると、屋根のデザイン性が低下するデメリットがあります。
特に目立つのが、雪止め効果が高いネットタイプです。
屋根材をこだわって選んでいる場合は、景観を邪魔されてしまうことを念頭に置く必要があります。
雪止めは降雪量で設置するタイプを決めるため、見た目重視で決めるのは難しいのです。
設置する際は、落雪対策として割り切りましょう。

 

メンテナンスが必要となる

金属製の雪止めは錆びやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。
ステンレスを使っていれば錆びにくい特徴があるため、メンテナンスが不要だと思う方も多いでしょう。
しかし、ステンレスを使っていてもメンテナンスを怠ってはいけません。
錆びを放置すると、欠けやすくなったり穴があいたりします。
劣化している状態だと、落雪効果が期待できなくなります。
効果を維持するためにメンテナンスは不可欠です。

 

メンテナンスを行うデメリットは手間と費用が発生することでしょう。
ちなみにメンテナンス方法は、塗装するか交換するかの二択です。
塗装をする場合は、設置してある雪止めに合う塗料を業者のほうで選定します。
ただし繰り返し塗装はできないため、落雪効果を長持ちさせるためには交換をするのがおすすめです。
屋根工事と同時に行えば足場を組む回数が減り、施工もスムーズに行えます。
後付けをしたら定期的なメンテナンスを実施してください。

 

雨漏りの原因となることがある

雪止めの設置を誤ると、雨漏りの原因になる可能性があるのもデメリットです。
既存の屋根材や気候に合った施工をしないと、取り付けた箇所から雨漏りが発生する場合があります。
雪止めは屋根材の隙間に差し込んで設置しているため、正しく設置しないと雨水が浸入してくるのです。
雨漏りすると屋根下に湿気がこもったり、クロスが剥がれたりなど二次災害に発展します。

 

取り付けを任せる際は、施工実績がある業者に依頼するのが安心です。
また取り付けには資格がなくてもできるため、依頼しやすいメリットがあります。
しかし施工に対してより安心感を得たい場合は、屋根関連の国家資格を取得している業者に依頼するのがおすすめです。

 

雪止め設置する際の効果に関する注意点

雪止め(縦葺き板金屋根 羽根付き)2

雪止めを設置する際は、以下の3つの注意点を把握しておきましょう。

・完全に落雪を防ぐことはできない
・正しく施工しなければならない
・豪雪地域にはあまり取り付けない

それぞれの注意点を解説します。
環境によっては効果が発揮されないケースもあるので、正しく特性を理解した上で設置するようにしましょう。

 

雪止めは落雪を完全に予防できるわけではない

金具やネットでは、完全に落雪を予防できるわけではありません。
あくまでも、積もった雪が溶けてなくなるまで、落ちないようにするための予防策です。
雪止め金具の隙間や上から落雪するリスクはあります。

 

雪止めを効果的に使うためには正しい取り付けが必要

雪止めを効果的に使用するためには、正しく取り付けることが重要です。
主に、450〜600mm程度の間隔で取り付けます。
取り付けは、屋根の形状や積雪量によって雪止めの間隔を調節しなければなりません。
そのため、現場経験が豊富な業者に依頼する必要があります。

 

雪があまり降らない地域でも雪止めは必要

雪止めは、積雪量が少ない地域だからこそ必要です。
隣家との間隔が狭くなりがちな地域の場合は、落雪による被害が起きる可能性があります。
対して、雪下ろしが必要な豪雪地域に取り付けるケースはあまりありません。
なぜなら、雪下ろしの邪魔になるためです。「年に数回、そこそこの積雪がある」といった地域でこそ、雪止めが必要になります。

 

後付けした雪止めは新築よりも効果が低下するの?

雪止め(波型スレート屋根 アングル)

新築時だけではなく、金具やネットは後付けも可能な部材です。
既存の屋根材の隙間に差し込んで固定できるように雪止めは作られています。
そのため、後付けの場合でも正しく設置すれば、効果が低下する心配はありません。
ただし、雪止めには設置できる屋根とできない屋根があります。
設置可能な屋根の例としては以下の6つがあります。

・カラーベスト屋根
・横葺き板金屋根
・縦葺き板金屋根
・瓦棒屋根
・波板スレート屋根
・瓦屋根

後付けするケースで最も多いのがカラーベスト屋根です。
横葺き板金屋根や縦葺き板金屋根に設置する際は、穴をあけずに施工ができる専用金具を利用します。
専用の金具を立ち上がり部分にはめて、ボルトを締めてしっかり固定すれば問題なく使用可能です。
瓦棒屋根には、棟から軒に向かって桟木と呼ばれている部材が取り付けられています。
桟木に金具を設置して固定していきます。

波板スレート屋根は形状が特殊ですが、アングルタイプの設置が可能です。
瓦屋根にも雪止めの取り付けが可能です。
付いていない屋根も多いですが、雪が降る地域ではつけることを推奨します。

瓦屋根のなかでも「和瓦」は設置場所の瓦を外してビスでしっかり固定するのが可能です。
「平板瓦」と「洋風」に関しては、瓦を浮かせて雪止めを瓦と瓦の間に滑り込ませ、落ちないように引っかける施工ができます。
屋根材によって取り付け方法が異なるため、現状の屋根に合った金具を業者に提案してもらいましょう。

 

一方、雪止めの後付けができない屋根は以下の2つです。

・シングル屋根
・防水屋根

シングル屋根とは、アスファルトとガラス繊維が原料のシート屋根です。
シート状なため、雪止めを差し込む隙間がありません。
傾斜がほとんどない平たい防水屋根も金具を設置する場所がありません。
そもそも防水屋根は平らなため、落雪するリスクがほとんどありません。

また太陽光パネルが設置されている屋根には、金具タイプが付けられないケースがあります。
金具だと、パネル面を勢いよく滑ってきた雪を受け止め切れないリスクのほうが高いデメリットがあります。
太陽光パネルがある屋根にはネットタイプが効果的です。
屋根の軒先部分にまで太陽光パネルがあるケースは、一部撤去して取り付ける方法しかありません。

あるいは、雪止めの設置を機に太陽光パネルをすべて外すのもひとつの方法です。
設置を依頼する際、まずは自宅の屋根が雪止めの後付けができるかどうかの確認をしましょう。

 

DIYで設置した雪止めだと効果は不十分?

DIY

DIYで雪止めの設置を行うのは不可能ではありません。
ただし、正しい手順を踏んで適切な位置に取り付ける必要があります。
インターネット情報のみの知識だけで施工すると、失敗するリスクは高めです。

雪止めを設置するにも、施工経験や専門的な技術や知識が問われます。
DIYで設置して失敗した場合、落雪が避けられない、雨樋や建物の破損、雪止めが雪と一緒に落下してくるなどのリスクがあります。
よって、設置しない場合よりも危険性が高まるのです。

DIYでの設置は正しい施工が難しいため、効果が出しにくいデメリットがあります。
強引に施工せず業者に任せるようにしましょう。

 

また屋根材の状態が悪いままで設置すると、雪溶けの水が浸入して雨漏りする可能性があります。
既存の屋根材の劣化が進んでいる場合は、取り付けをする前に修理から行うケースもあるため業者による点検が必要でしょう。

またDIYでは、足場を設置せずに施工するケースが多いです。
足場は転落事故を防止しつつ、丁寧な施工ができるように設ける必要があります。
足場を設けられたとしても、完全に転落を阻止できるわけではありません。
不安定な足場で作業を行うには慣れが必要です。

慣れた上で丁寧な施工をしなければならないため、確かな技術を要します。
転落するリスクを避けるためにも、業者に依頼するのがおすすめです。

 

効果的に雪止めを設置するための業者選びのポイント

費用7

安心して雪止めの設置を依頼するために、以下の4つのポイントを抑えましょう。

・雪止めの設置実績を確認する
・見積もりが詳細か確認する
・相見積もりをする
・地域に密着している業者を選ぶ

それぞれの内容を解説します。
信頼性の高い業者の特徴をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

 

雪止め設置の実績がある業者を選ぶ

雪止めの業者もしくは雪止め施工の実績が十分にある業者を選ぶのがおすすめです。
豊富な経験があれば、屋根の形状に合わせた施工ができます。
施工方法を誤ると、屋根材や雨樋の破損に繋がるリスクがあります。
屋根材や雨樋の破損は、雨漏りの原因になりやすいのです。
したがって、実績のある業者に依頼した方が安心して設置を任せることができるでしょう。

 

見積もりを詳細に記載してくれる業者を選ぶ

見積もりの内容を見積書に詳細に記載してくれる業者は、優良業者の可能性が高いです。
業者のなかには、詳細に書かずに口頭で説明をする場合があります。
口頭で言った内容を紙に残してくれない場合は、後から言った言ってないのトラブルに発展する恐れがあります。
施工内容や製品名が詳細に書かれていれば、どこの部分にどれぐらいの費用がかかっているのかが目に見えてわかるので安心です。
見積もりの段階から親身に対応してくれる業者を選びましょう。

 

相見積もりを活用する

信頼できる業者を見つけるために、複数の業者に見積もりを依頼する「相見積もり」を活用してみましょう。
活用する際は、事前に相見積もりをする旨を伝えてください。
また相見積もりをするなら、条件を統一した方が価格の比較がしやすいです。
業者によって提案する施工内容はさまざまです。
そのため、相見積もりをして納得できる金額と施工内容の業者を選ぶのがポイントです。

 

地域で長く営業している業者を選ぶ

地域で長く営業している業者を選ぶと、トラブルが起きた際に、すぐ駆けつけてもらえます。
修理が必要になっても早急に対応してくれるので安心です。
また、全国に展開している業者と比べると、中間マージンが少ないのもメリットです。
そのため、施工費用が安価になりやすい傾向があります。
地域の業者を見つけるためには、知り合いに評判のいい業者を訪ねてみると良いでしょう。
もしくは、インターネットで調べてみる方法もあります。
地域名を含めたキーワードで検索してみると、良い業者と出会えるかもしれません。

 

雪止めを効果的に使うためには信頼できる業者に設置を依頼しよう

雪止め 人物

雪止めの効力を高めるためには、雪止め施工の経験が豊富な業者に設置を依頼するのがおすすめです。
しっかりとした経験があれば、屋根の形状や積雪量に合わせて雪止めを適切に設置してくれるでしょう。
適切な間隔で取り付けないと、あまり効果は見込めないので実績のある業者を選ぶのがポイントです。
実績の有無や業者の評価や口コミもホームページで確認できます。
地元で活動している業者であれば、地域の特徴を把握しているので最適な施工が可能です。
また、あとから雪止めでは雪止めネットの中でもさらに効果が高い「落雪ストップ」をおすすめしています。
メーカーから直接指導を受けた業者のみが購入できる製品です。
製品の保証が受けられるように、設置した写真をメーカーに送っています。
信頼性の高い製品なので、落雪予防を検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

このほか、雪止めに関して疑問がある場合は、落雪を防ぐ「雪止め」って?雪止め工事に関するよくある10の質問をぜひチェックしてみてください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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