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コラム

雪で屋根が壊れた場合に必要な修理や火災保険、修理費用について解説

屋根の上に雪が大量に積もった場合、その重みで屋根が壊れてしまうことがあります。

屋根が壊れると修理対応をしなければなりません。

本記事では、雪で屋根が壊れた時に気になる下記の点について解説します。

・雪で屋根が壊れた場合はどのような対応をすべきか
・雪で屋根が壊れた場合に火災保険が適用されるのか
・雪止めは設置すべきか
・雪で屋根が壊れた時の修理費用はいくらか

雪で屋根が壊れた時の参考にしてください。

雪で屋根が壊れたらすぐにやるべき対応

雪で屋根が壊れた場合、まずは以下のように対応するのがおすすめです。

・自分や家族の安全を確保する
・業者に屋根の被災状況を確認・修理してもらう

どちらも屋根が壊れた直後に必要な対応です。

詳しく解説するのでご一読ください。

自分や家族の安全を確保する

雪で屋根が壊れたら、まずは自分や家族の安全を確保しましょう。

雪で屋根が壊れた場合、家の中や周囲に建材が落下することが考えられます。

自分や家族が家の中にいる場合、いったん家の外に避難し、安全な場所から屋根の状態をご確認ください。

屋根の状態によっては、近隣住民に状況を知らせ、必要であれば避難を促すようにすると二次被害を予防できます。

屋根の状態の確認は、必ず家から離れた場所で行いましょう。

雪が一気に滑り落ちてくる可能性があるため、屋根の真下や屋根自体に登っての確認は避けてください。

業者に屋根の被災状況を確認・修理してもらう

自分や家族の安全が確保できたら、信頼できる業者に連絡して、屋根の状況を見てもらいましょう。

雪災で屋根が壊れた場合、破損した屋根材だけでなく雪もあるため、個人で作業を行うのは危険です。

決して自分で屋根に登らず、プロの業者に確認してもらうほうが、被害の拡大を防げます。

依頼する業者は、火災保険の申請に慣れている業者がおすすめです。

火災保険に加入している場合、雪災で保険金が下りる可能性があります。

火災保険の申請に慣れている業者を選べば、申請に必要な破損箇所の写真を撮影するといった、スムーズな手続きが期待できます。

雪で屋根が壊れた場合に必要な修理

雪で屋根が壊れた場合、屋根材自体が壊れたり雨どいが破損したりするなど、様々な不具合が生じるものです。

破損した箇所の部分補修や、場合によっては屋根自体を全面的に工事するケースも考えられます。

雪で屋根が壊れた場合の修理方法は、主に以下の3つです。

・部分補修
・カバー工法
・葺き替え

各修理方法の詳細を確認します。

部分補修

部分補修とは、屋根の一部のみを直す修理のことです。

屋根の一部だけ直すため、他の修理方法よりお金も時間もかからないというメリットがあります。

部分補修は不具合が発生している箇所のみ部分的に修理する、比較的簡単な修理方法です。

ただし、壊れている範囲が広い場合は全面的な修理が必要になる点に注意が必要です。

カバー工法

カバー工法とは、古い屋根の上に新しく軽い屋根をかぶせる工事のことです。

古い屋根は剥がさずそのまま利用するため、外壁材の内部まで痛んでいない場合に実施できる工法です。

屋根の下地まで全面的に新しいものにする「葺き替え」と比較すると、安価かつ少し工期が短いというメリットがあります。

カバー工法が可能かどうかは屋根の状態次第であり、場合によっては作業が不可のこともあります。

カバー工法を希望する場合は、実施できるかどうか業者に確認してもらいましょう。

葺き替え

葺き替えとは古い屋根材を全て取り除いてから修理し、新しい屋根材を取り付ける工法です。

屋根材の内部まで痛んでいる場合、屋根を全面的に新しくしたい場合におすすめの方法と言えます。

お金と時間はかかりますが、屋根を一新できるので長い目で見ると安心して自宅に住むことができる点も魅力です。

屋根の状態があまり良くない場合や、雪による屋根への被害が大きい場合は葺き替えを検討しましょう。

雪で屋根が壊れた場合火災保険は適用される?

「雪害によって屋根が壊れたけれど、火災保険は適用されるのだろうか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

雪害でも火災保険は適用される可能性があります。

ただし、必ずしも適用される訳ではありません。

屋根が壊れた原因が経年劣化など自然災害以外の場合や、被害から3年以上が経過して申請期限を過ぎている場合は、保険が適用されないこともあります。

雪で屋根が壊れた時の火災保険についてくわしく解説します。

火災保険は適用される可能性がある

火災保険は火災・落雷・破裂・爆発・風災・雹(ひょう)災・雪災による被害を受けた場合に保証を受けられます。

保証の対象は保険の内容によって異なりますが、一般的には建物や家財道具の修理代金が対象となります。

ただし適用されるかどうか判断するのは保険会社のため、受けた被害すべてが保証されるとは限りません。

被害の原因によっては自己負担になることもあります。

対象外とみなされた場合は火災保険が適用できない

雪で屋根が壊れた際に火災保険が適用できるのは、自然災害で破損した場合だけです。

経年劣化の場合は火災保険で屋根の修理はできません。

保険会社も経年劣化による修理申請に対処するため、チェックを厳しくしています。

修理代金が免責金額以下の場合、保険金を受け取れない

屋根の修理代金が免責金額以下の場合、保険金を受け取ることができません。

免責金額とは、契約者が自己負担する金額のことです。

たとえば、損害額が50万で免責金額が5万円の場合、受け取れる保険金額は45万円となります。

損害額が免責金額より低い場合、保険金は受け取ることができません。

免責金額を高く設定すると、月々の保険料を抑えることが可能です。

しかし、保険料節約のために免責金額を高く設定し過ぎてしまうと、万が一の際に負担する金額が大きくなってしまいかねません。

住んでいる地域が大雪になりやすい地域であれば、免責金額を低く設定するなど、バランスを考えて決める必要があります。

契約している火災保険の免責金額を確認し、免責金額が高すぎる(低すぎる)場合は見直しを検討してみるのがおすすめです。

被害から3年経つと保険請求ができなくなる

雪害も含めた火災保険の保険金の請求期限は、保険法で3年と定められています。

期間が決められているため被害を受けたら速やかに保険会社に連絡するのがおすすめです。

また、保険会社によっては法律とは異なる請求期限を設定しているところもあります。

請求期限が過ぎていても理由によっては認められる場合もあるが、気付いた時点で保険会社に連絡することが大切です。

参考:建物と家財の火災保険は別物

自宅や車庫などの「建物」および家具や家電製品といった「家財」は、それぞれ建物と家財の火災保険に加入する必要があります。

家財の火災保険のみに加入していた場合、雪で屋根が壊れたとしても、火災保険は適用できず、保険金を受け取れません。

逆の場合も同様です。

大雪が降る可能性がある地域に住んでいる場合は、あらためて保険内容の確認をおすすめします。

屋根の修理と一緒に雪止めの設置がおすすめ


雪で屋根が壊れた場合、屋根の修理と一緒に雪止めを設置するのがおすすめです。

雪止めとしては「雪止めフェンス」や「雪止めネット」があります。

地上に設置する柵が雪止めフェンス、屋根に設置する落雪をストップする建材が雪止めネットです。

屋根に雪が積もるとさまざまな被害の発生が懸念されます。

自宅への被害はもちろん、落雪によって人的被害が起きてしまうことも考えられます。

後から雪止めネットを設置すると足場の費用が別途かかってしまうため、屋根の修理と共に設置するのがおすすめです。

特に都心部や住宅街であれば雪止めネットがおすすめです。

雪止めフェンスは地面に設置するため、敷地が広い家にしか設置できません。

落雪で人的被害が起きてしまわないように、雪止めネットを屋根に設置するのがおすすめです。

雪で屋根が壊れた場合の修理費用の目安

雪止めネット7

屋根の修理費用について、施工内容別に費用相場をご紹介します。

・軒先水切り(唐草):1メートルあたり1,500~3,000円
・ケラバ:1メートルあたり1,500~3,500円
・棟板金:1メートルあたり2,500~6,000円
・雪止め:1メートルあたり1,500~3,500円
・換気棟:1個あたり25,000~50,000円ほど

屋根にガルバリウム鋼板を施工する場合の費用相場は下記のとおりです。

・カバー工法:100~150万円
・葺き替え:150~250万円

費用は家の広さや周辺環境などによっても大きく変わります。

具体的な費用感を把握するなら、業者に見積もりを依頼しましょう。

火災保険の申請方法

火災保険の申請から受け取りまでは、以下の流れで行います。

・保険会社へ連絡する
・必要書類を用意する
・保険会社の鑑定人による現地調査を受ける
・保険金を受け取る

それぞれ詳しく紹介します。

火災保険を申請したことのない方は、ぜひご確認ください。

保険会社へ連絡する

まずは雪で屋根が壊れてしまった旨を、ウェブや電話などを利用して保険会社に連絡します。

申請の際に保険会社から尋ねられる内容は「契約者名」「保険証券番号」「事故の日時」「場所」「事故の状況」などです。

「事故の状況」については、把握できる範囲で問題ありません。

保険会社へ連絡する際には、契約した保険の書面や事故状況を記したメモなどを準備しておくと、質問に対してスムーズに答えられます。

必要書類を用意する

保険会社に連絡すると必要書類などに関する案内があるため、すべて用意する必要があります。

一般的に、保険金の請求に必要な書類は以下のとおりです。

・保険会社が指定する保険金請求書
・罹災証明書(罹災の事実や程度などを証明する書類)
・事故状況証明書(被害状況や程度がわかる写真など)
・業者からの修理見積書や報告書

被害が大きく、保険金請求額が高額になる場合は、印鑑証明書や建物登記簿謄本などの提出が必要となることもあります。

上記の他に必要な書類が出てきた場合は、保険会社から連絡があるので、その都度対応してください。

書類について気になることがある場合は、早めに確認しましょう。

必要書類に不備があった場合、保険金の支払いが遅れるおそれがあります。

保険会社の鑑定人による現地調査を受ける

保険会社が必要と判断した場合、保険会社の鑑定人による現地調査が行われます。

鑑定人による調査は被害状況を確認し、保険適用が妥当か鑑定することが目的です。

被害報告が正しいと思われるなど、不要と判断された場合は、現地調査が行われないこともあります。

調査が行われる場合は、契約者の立ち会いが必要です。

調査には1〜2時間程度かかるため、同席できる日時を保険会社と調整してください。

調査終了後、鑑定人による調査結果と提出された書類や写真などをもとに、保険支払いの審査が行われます。

補償対象に認定されると、保険金の金額が確定します。

保険金を受け取る

審査後、保険会社から確定した保険金額が通知されるので、問題がなければ同意してください。

同意後、保険会社から指定した金融機関への入金が行われます。

入金された金額が通知された金額と一致するか、必ず確認しましょう。

入金された保険金の使途は指定されていないため、屋根の修理以外にも使用可能です。

火災保険の支払い期限は、保険法により申請完了から原則30日と決まっています。

ただし、被害規模によっては期間が長くなることもあります。

雪で屋根が壊れる原因

アスファルトシングル 雪止めが後付けできない屋根

雪で屋根が壊れる主な原因は、積雪の重量です。

降り積もった雪の重量が屋根の耐久力を超えてしまうと、壊れる可能性が高くなります。

雪は時間が経過すると、固く締まったり水分を含んだりして重量が増してしまうため、注意が必要です。

雪の状態ごとの、おおよその重量は以下のとおりです。

・新雪(降ってから間もない期間):30~150kg/立方メートル
・しまり雪(降雪後数字が経過し、全体的にきめ細かい締まった感じの雪):150~500kg/立方メートル
・ざらめ雪:(雪が少し溶け、水分を含んだ荒い感じの雪):300~500kg/立方メートル

上階の屋根から落ちた雪で、下階の屋根が破損することもあります。

まとまった雪が一気に落ちてしまうと、破損する可能性が高いため、早めの対処が必要です。

雪で屋根が壊れないように予防する方法

アングルタイプ

雪で屋根が壊れないように予防するなら、以下の方法がおすすめです。

・屋根の雪下ろし
・屋根の定期的な点検

手間や費用がかかる場合もありますが、屋根が破損すると、より多くの手間や費用が必要になります。

それぞれ詳しく解説するので、ぜひご確認ください。

屋根の雪下ろし

定期的な雪下ろしにより、屋根の破損を予防できます。

降り積もった当初は軽い雪も、時間が経つと固く締まって重くなります。

特に雪が溶けて水分を含むようになると、さらに重さが増すため、早めの雪下ろしが必要です。

雪下ろしは2人以上で行い、ヘルメットや命綱などの安全対策を十分に準備しましょう。

積雪がひどい場合や、自分たちでの雪下ろしが困難な場合は、専門の雪下ろし業者に依頼するのがおすすめです。

屋根の定期的な点検

定期的な屋根の点検も、破損の予防につながります。

もし不安があれば積雪シーズンが始まる前に、信頼できる業者に屋根の点検を相談してみましょう。

点検の頻度は、住宅の築年数や建材、周囲の環境などによって異なりますが、5年に1回程度行うことをおすすめします。

定期的に点検を行い、必要に応じて補修を行えば、雪による屋根の倒壊を予防可能です。

点検に費用がかかることがありますが、雪で屋根が壊れることを考えると、長期的にコストを抑えられます。

雪での屋根が破損に関するよくある質問

雪止め(縦葺き板金屋根 羽根付き)

雪で屋根が壊れた場合によくある質問として、以下のことが挙げられます。

・落雪石事故が発生した場合に責任を負うのはだれ?
・雪の火災保険はいくらから適用される?
・屋根に積もった雪の重さはどれくらい?

質問の内容について解説していきます。

落雪事故が発生した場合に責任を負うのはだれ?

民法第717条1項では、土地の工作物の設置や保存に瑕疵があり他人に損害が及んだ場合は所有者に賠償責任があるとされています。

つまり、落雪の事故が起こった場合も土地や建物の所有者が責任を取らなければなりません。

自分の所有している物件に対しては、落雪事故が起きないように事前に対策することが非常に重要です。

また、アパートやマンションで落雪が発生した場合は基本的に大家が責任を問われます。

落雪による事故が発生しないよう、雪止めを設置しておきましょう。

雪の火災保険はいくらから適用される?

雪害の被害にあった場合に火災保険が適用される額については、損害額から免責(自己負担)額を引いた金額となります。

上限金額や免責金額は契約によって異なるため、事前に契約内容を確認しておきましょう。

屋根に積もった雪の重さはどれくらい?

雪の重さは密度によって大きく異なります。

雪の結晶の形が残っている新雪は比較的軽く、雪同士がくっついた状態の締り雪は重いです。

1立方メートルの雪の重さは、およそ次のようだとされています。

・新雪の場合:約50~150kg
・締り雪の場合:約250~500kg

密度が高い雪が屋根に積もっている場合は、屋根から落下すると危険なので要注意です。

車庫(カーポート)と自動車は火災保険で補償される?

車庫(カーポート)は火災保険の補償対象になりますが、車庫の中にある自動車は対象外です。

火災保険は適用範囲が広く、一般的に車庫(カーポート)や物置、門、塀なども含まれます。

しかし、自動車に関しては自動車保険が適用されます。

火災保険と自動車保険は別物なので、雪災による自動車の損害が発生した場合、加入している自動車保険の窓口に問い合わせましょう。

自動車が雪で潰れた車庫の下敷きになった場合であれば、補償対象となる可能性があるので、早めに問い合わせてみるのがおすすめです。

雪で屋根が壊れたら修理しよう

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本記事では、雪で屋根が壊れた時の修理方法や火災保険が適用されるのかといった内容を解説しました。

雪で屋根が壊れた場合の修理方法は部分補修・カバー工法・葺き替えの3つがあります。

屋根の状況によって、施工可能な工法が異なります。

雪害の被害で屋根が破損した時は火災保険を適用できる可能性が高いです。

ただし経年劣化など災害以外が破損理由とされた場合は、保険金がおりないこともあります。

雪で屋根が壊れてしまった時は、屋根の修理とともに雪止めを設置することがおすすめです。

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内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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