屋根や家周辺に雪が積もらないようにする方法と具体的な対策を解説
「雪が積もらないようにする方法があるなら知りたい」
「雪が積もるとデメリットがあるので対処法を知りたい」
このように、屋根や家周辺に雪が積もることにデメリットを感じていて、何か対策をしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、落雪で考えられるリスクや雪が積もらないようにする方法について解説します。
雪害を防ぐ方法も紹介するので、雪が降る地域に住む方はぜひ参考にしてください。
目次
屋根や家周辺に雪が積もることで考えられるリスク
屋根や家周辺に雪が積もることで、考えられるリスクを紹介します。
・屋根や構造物への負担になる
・積もった雪が落雪した場合は事故につながりかねない
・交通や近隣への影響が出る
・凍結と転倒のリスクがある
積雪対策をしないとこのような負担や危険があるため、必ずリスクを知っておきましょう。
屋根や構造物への負担になる
屋根や家周辺に雪が積もることで、屋根や建物の構造にかかる負担が増えます。
その結果、建物の寿命を縮めたり、損傷や崩壊の原因となったりすることがあります。
重くて固い古い雪はもちろん、新雪でも建物の屋根や構造物に大きな負荷がかかるため油断はできません。
建物の耐久性を超える負荷がかかるとクラック(ひび割れ)や歪みが生じ、最悪の場合は建物の破損や崩落といった可能性もあります。
積もった雪が落ちた場合は事故につながりかねない
屋根に積もった雪が落ちた場合、事故につながるリスクがあります。
家屋から落ちた雪や近隣の建物、車、物品などに当たることで、被害を及ぼす可能性があります。
雪が凍結していると、その衝撃で物品や車の表面が傷つき破損する恐れもあるでしょう。
高所から落下する雪はその速度や衝撃が大きく、落雪の被害が広範囲に起こります。
屋根や家周辺で落雪が発生すると、周辺環境や人々の安全を脅かしてしまうリスクがあります。
交通や近隣への影響が出る
屋根や家周辺に積もった雪のリスクは、交通や近隣住宅への悪影響にもつながります。
自宅からの落雪が道路や歩道に積もると、雪によって道路の歩行を妨げたり、車の進行を妨げたり、歩行者が落雪に当たってケガをしてしまうリスクも軽視できません。
また、自宅からの落雪が隣家の敷地内に入ってしまい、庭に置いてあったモノの損傷や破損を引き起こすことがあります。
特に高所からの落雪は衝撃が大きく、被害が広範囲に及ぶこともあるので警戒が必要です。
凍結と転倒のリスクがある
屋根や家周辺に雪が積もることで、路面の凍結と歩行者の転倒リスクが増加します。
積雪した路面は、凍結の可能性も高く転倒しないように注意が必要です。
東京労働局・労働基準監督署によると、最も転倒災害が多かった時期は、雪が降り始めた日ではなく、降雪から2日後の雪がとけ始めたときです。
降り始めた雪は日中に一部がとけ、夜にまた凍結することで、路面凍結のリスクがあります。
雪がとけ始めたら路面凍結の可能性があると考え、屋外の移動・作業はできるだけ避けるようにしましょう。
雪が積もらないようにする方法
雪が積もらないようにする方法は以下の3つです。
・融雪ネットを取り付ける
・屋根融雪システムを導入する
・融雪剤を撒く
1つずつ詳しく説明します。
融雪ネットを取り付ける
雪が積もらないようにする方法の1つに融雪ネットがあります。
融雪ネットは、網目状の融雪ヒーターを屋根の上に設置し、融雪を行うものです。
屋根や雪の積もる場所に設置することで、雪の融解を助けて雪害を軽減します。
メリットは、高い融雪力と幅広い種類の屋根に取り付け可能な点です。
デメリットは初期費用がかかることです。
熱線や設置作業の費用がかかるため、予算を考慮する必要があります。
定期的なメンテナンスが必要なのも気を付けなくてはいけないポイントです。
屋根融雪システムを導入する
屋根融雪システムとは、屋根に直接パイプやヒーターを設置し屋根に積もった雪を灯油や電力などの熱を使って水に変え処理を行うシステムのことです。
屋根融雪システムは、大きく分けて以下の3種類があります。
・電熱方式
・灯油ボイラー方式
・井戸水(地下水)方式 など
メリットは、屋根全体的に融雪可能で、これにより雪による損傷や崩壊のリスクを軽減できます。
デメリットは、設置費用や維持費用(電気代など)が高額なことです。
屋根融雪システムは長時間電力を消費するため、電気料金の増加が懸念されます。
融雪剤を撒く
融雪剤を撒くことも、家周辺に雪が積もらないようにする方法の1つです。
融雪剤とは、液体の水分子が氷になることを防止するとともに既に固まっている氷を融かして水にする化学材料のことです。
融雪剤を使用することで、凍結した路面や歩道を解氷でき、交通事故や転倒事故を予防するのに役立ちます。
メリットは、積もった雪を好きな範囲で迅速に溶解できて、凍結防止にもなることです。
デメリットは、散布作業では手間がかかり屋根には使えないことです。
雪害を防ぐ方法
本記事で説明している通り、雪が積もるとさまざまなリスクが増えます。
下記の方法で雪害を防ぐなど、対策が必要です。
・雪が落ちにくい屋根形状へリフォームする
・雪止めを設置する
それぞれ詳しく説明します。
雪が落ちにくい屋根形状へリフォームする
雪が落ちにくい屋根形状へリフォームすることで雪害を防ぐことができます。
雪が積もらない屋根には3種類あります。
・スノーダクト方式
・ルーフフラット方式
・勾配屋根方式
雪が滑り落ちにくい屋根形状にすることで、屋根からの大量の雪降りによる事故や被害のリスクが軽減されます。
雪が滑りにくい屋根の形状にすることで、雪の重みによる建物への負担を軽減し、長期的な耐久性が向上します。
雪が落ちにくい屋根形状へリフォームするとお金もかかりますし、お家の外観も変わるものです。
ただし落雪リスクを大きく減らせるため、落雪による家族や近隣住民への被害を防ぐのであれば屋根リフォームはおすすめです。
雪止めを設置する
雪害を防ぐ方法でおすすめしたいのが、雪止め金具の設置です。
雪止めは屋根の端や屋根の突出部に設置され、雪が滑り落ちるのを防ぎます。
これにより、雪による周囲への被害や落下による事故のリスクを減少できます。
メリットは、メンテナンスの軽減と周囲への安全性向上です。
デメリットは、雪下ろしをするときに雪止めが邪魔になることがあります。
金属屋根に雪止め金具を設置する際は、錆びにくい素材の金具を使うとメンテナンス頻度を減らせます。
アルミ製の雪止めアングルの設置で15〜20万円程度なので、屋根のリフォームに比べると手軽です。
雪が積もらないようにする方法に関するよくある質問
雪害に関するよくある質問を紹介します。
・車に雪が積もらないようにする方法は?
・雪止めは必要?
・雪災には火災保険が適用される?
気になる質問があれば参考にしてください。
車に雪が積もらないようにする方法は?
車に雪を積もらせないようにする方法は下記の2つです。
・カーポートに雪止めを設置する
・融雪剤を撒く
カーポートの雪止めとは、カーポートの屋根に設置して落雪を防止するバータイプものが一般的です。
メーカー純正のカーポートの雪止め製品はあまりないため、既存のカーポートに合った雪止めを自分で作る、または業者にお願いして作ってもらうかのどちらかになります。
雪止めは必要?
雪の降る地域に住んでいる場合、豪雪地域でなくても雪止めは絶対つけたほうがいいです。
人的被害、近隣への被害、自邸への被害を防ぐのに効果的であり、後から雪止めを追加するとなると足場の費用もさらにかかるためです。
周囲の安全を確保するためにも、雪止め設置の必要があります。
雪止めが不要なケースは、雪下ろしが前提となる豪雪地域だけです。
雪止めが付いていると、邪魔になって屋根から雪を下ろしにくくなるため、雪下ろしを実施する地域にお住まいの場合は必ずしも設置しなくても問題ありません。
雪災には火災保険が適用される?
大雪や豪雪、雪崩などの自然災害によってご自宅に被害が生じた場合は、火災保険の「雪災補償」で補償されるケースがあります。
ただし、保険会社によってカバーできる補償内容や規定などが異なるので一概に補償されるとは言えません。
火災保険が適用されるのは、あくまで自然災害によって不具合が発生した場合に限られます。
落雪によるカーポートの損害や積雪が原因で建物の破損があった場合は、保険を適用できるか保険会社に問い合わせてみましょう。
雪が積もらないようにする方法を試してみよう
屋根や家周辺に雪が積もることは事故につながったり、屋根や構造物への負担になったりと、リスクが多いです。
積雪対策は、高所での作業など危険が伴うのでDIYで対応しようとせず、業者に相談しましょう。
雪害を防ぎたい方には「落雪ストップ」の取り付けをおすすめします。
「落雪ストップ」は、屋根の落雪を防ぎつつ、雪と空気の温度差、昼と夜の温度差を利用し、雪をとかしながら除雪する商品です。
維持費不要で様々な屋根に設置可能なので、興味のある方はお気軽にご相談ください。
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内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。