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コラム

落雪防止には雪止め金具が必要!種類と付け方・設置費用を解説

雪止め6(カラーベスト 扇形)

「そもそも雪止め金具って必要?」
「雪止め金具にはどんな種類があるのか知りたい」

雪止め金具は雪の落下を防ぎ、建物や周囲の安全を守る重要な役割を果たします。

「大雪が降る地域ではないから大丈夫だ」という人もいますが、万が一落雪が人に当たるとトラブルに発展する恐れもあるため、雪止めの設置がおすすめです。

本記事では雪止め金具の必要性や種類、取り付け方法、費用などについて詳しく解説します。

雪の降る地域にお住まいの方や新築を検討されている方が気になる質問にもお答えしています。

雪の影響を最小限に抑えて安心して生活するために、雪止め金具に関する知識を身につけておきましょう。

雪止め金具とは

雪止め金具とは、雪の落下を防ぐ設備のことです。

屋根に積もった雪が落ちないようにせき止める役割を果たします。

さまざまな素材や形があり、屋根材や地域により取り付ける雪止め金具が異なります。

住宅を建てると同時に先付けしなくても、建築後に必要と感じたら後付け可能です。

どのような雪止めを取り付けたら良いのかわからない場合は、業者へ相談してください。

雪止め金具は取り付けるべき

雪止め3(カラーベスト 扇形)

雪止め金具は必ず取り付けるべきです。

理由は、屋根に積もった雪が落下することで人々や周囲の地域に被害をもたらし、自分の家にも損害を与える可能性があるからです。

後から雪止め金具を取り付ける場合には足場の費用もかかるため、家を建てたり屋根のリフォームを実施したりする際に雪止め金具の取り付けを考えてみましょう。

雪止め金具というと豪雪地帯に必要だという印象がありますが、実際には少しでも雪の降る地域であれば設置をおすすめします。

雪害は、ふだん雪が降らない地域であっても油断はできません。

家の間隔が近い住宅の屋根は、積雪の被害を受けやすいのでとくに設置をおすすめします。

一方で、豪雪地帯の屋根は雪止めが不要な場合もあります。

豪雪地帯では、屋根の上に積もった雪を屋根の下に落とす「雪下ろし」の作業を前提に住宅を設計しているためです。

基本的に雪止め金具は取り付けるべきだと理解し、設置を検討しましょう。

雪止め金具の種類

雪止め(波型スレート屋根 アングル)2

雪止め金具の種類は扇型、羽根つき、アングルなどが一般的です。

落雪の防止効果が高いものから順番に並べると下記のようになります。

・アングル
・羽根つき
・扇型

適切な金具を選ぶことで雪の滑り落ちを効果的に防ぎ、建物や周囲の安全を守ることができます。

それぞれの特徴を詳しく説明します。

アングル

アングルタイプの雪止め金具は、扇型や羽根つき形状と比べると、もっとも効果的に落雪を防止します。

金具同士の隙間を、長い棒状の金具で完全に埋める仕組みです。

落雪防止の効果が高いので、雪の重みによる屋根の損傷や落雪による危険を防げます。

扇型や羽根つき金具だけでは十分な効果が得られない場合には、アングルタイプを選ぶのがおすすめです。

小さな落雪までキャッチできるので、屋根面が滑りやすい場所や急勾配の屋根には特に適しています。

羽根つき

羽根つきの雪止めは、羽根を広げたような形状をしています。

落雪防止の効果としては、扇形とアングルの中間程度の能力があります。

ほかの雪止め金具と比べると見た目の主張も少なく、景観を大きく崩すこともありません。

普段の景観を損ねず雪止めの効果を得たい方におすすめです。

扇型

扇型の雪止めは、スレート屋根によく使用されているものです。

雪止めの効果としてはやや低めですが、作りがシンプルで目立ちにくく景観を壊しにくいことがメリットです。

多くの業者で雪止めの色を塗り替えることもできるので、より景観に合わせることができます。

耐久性が気になる方には、ステンレス製の雪止め金具がおすすめです。

雪止め金具の選び方

雪止め金具の選び方は主に3つあります。

・先付けか後付けか確認する
・屋根材に適応した雪止め金具を選ぶ
・雪止めの金具の形状から選ぶ

それぞれ詳しく解説するため、選ぶときの参考にしてください。

先付けか後付けか確認する

雪止め金具の先付けと後付けを間違えると、正しく取り付けられません。

先付けは家を建てると同時に屋根に取り付けます。

屋根の下に雪止め金具を釘で打ち、固定してから屋根をかぶせていく施工が一般的です。

建築後に必要性を感じて雪止め金具を取り付けるパターンが後付けです。

多くの場合、屋根の部材にかませます。

雪止め金具を探すときは、先付けか後付けか確認してから選んでください。

屋根材に適応した雪止め金具を選ぶ

雪止め金具は、すべての屋根材に設置できるわけではありません。

取り付けできる屋根材は下記の6つです。

・カラーベスト屋根
・横葺き板金屋根
・縦葺き板金屋根
・瓦棒屋根
・波板スレート屋根
・瓦屋根

住宅の屋根がどのタイプなのかを確認してから、雪止め金具を選ぶことが大切です。

わからない場合は雪止め金具の取り付けを業者へ任せるのもおすすめです。

雪止めの金具の形状から選ぶ

雪止め金具の形状は主に2つあり、それぞれ特徴があります。

・屋根に直接取り付けるタイプ
・アングルに取り付けるタイプ

屋根に直接取り付けるタイプは、瓦の下に釘で打ったり屋根の葺き部分を挟み込んだりして固定します。

雪に接する部分が少なくなる点が特徴です。

アングルタイプは屋根に固定して、アングルと呼ばれるL型の鉄棒を固定します。

防波堤のように雪をせき止めるため、金具のみで止めるより高い落雪防止効果を得られます。

雪止め金具の付け方

雪止め金具には、先付け雪止め金具と後付け金具があります。

メリットとデメリットも含めて詳しく説明します。

先付け雪止め金具

先付け雪止め金具とは、屋根の施工と同時に取り付けるタイプの雪止め金具のことです。

新築時に一緒に施工するため足場の費用が追加でかかりません。

雪が降る地方に家を建てる場合、新築や屋根のリフォームを依頼するときに設置してしまう方が手軽です。

DIYでの設置は難しく落下事故の危険性もあるので、専門業者に設置を依頼しましょう。

後付け雪止め金具

後付けで雪止め金具を取り付けるものを「後付け雪止め金具」といいます。

既存の屋根に設置するタイプの雪止め金具です。

施工の手順は下記のとおりです。

・取り付ける場所を決める
・屋根材を金具で少しだけ持ち上げる
・雪止め金具を屋根材の隙間に挿入する
・金具をハンマーで軽く叩いて適切な位置に戻す
・屋根材の隙間にシーリング材を注入する

後付け雪止め金具の欠点は、屋根材によっては取り付けが困難な場合があるという点です。

また足場の設置が必要なので、先付け雪止め金具に比べ費用が割高になります。

後付け雪止め金具を個人で取り付けるのは難しく大変危険な作業です。

足場の設置も必要で高所の作業が続くため、専門業者に相談することをおすすめします。

雪止め金具設置のメリットとデメリット

雪止め金具を設置したときには、メリットのほかデメリットもあります。

・落雪トラブルを防ぐ
・出入り口を確保できる
・雪下ろししにくい

雪止め金具は屋根からの落雪を防止できる一方、雪下ろししにくいデメリットがあるため詳しく解説します。

落雪トラブルを防ぐ

雪止め金具は、雪の重みによる雨樋やカーポートの損傷を防止するだけでなく、落雪によるトラブルを防ぐ重要な役割を果たします。

雨樋やカーポートは、屋根と違って雪の重みに耐えきれず破損するケースがあります。

雪は塊が落下するとかなりの衝撃を与えてしまい危険です。

植木鉢などの小さなものはもちろん、カーポートや雨樋に落下すると補修が必要になるほどの大きな破損になる可能性があります。

さらに、落雪が人間に当たると事故になりかねません。

降っている雪は軽くても、積雪して塊になると想像以上に重くなります。

高所から落下した雪は加速による衝撃が加わるためさらに危険度が増し、死亡事故になるケースもあります。

歩行者や隣家への落雪被害を最小限に抑えるためにも、雪止め金具は有効です。

出入り口を確保できる

雪止め金具を取り付けることで、自宅の出入り口を確保できます。

降り積もった雪が高い山になると、ドアをふさいでしまうからです。

雪の日は外出しないほうが良いですが、何かの用事で外に出る場合があるかもしれません。

出入り口が雪でふさがれると、万が一給湯器の排気口や吸気口が雪で覆われても対処できない可能性があります。

寒い家の中で孤立する可能性があるため、予防の意味でも雪止め金具が必要です。

雪下ろししにくい

たくさんの雪が降ると、雪止め金具自体が邪魔になる恐れがあります。

雪下ろししにくいうえに、家自体に負荷がかかります。

多くの場合、豪雪地帯の住宅に雪止め金具はついていません。

そもそも、雪国では最初から住宅に落雪対策がされているため、雪止め金具の設置が不要です。

雪下ろしの邪魔になる可能性があるなら、雪止め金具の設置は慎重に考える必要があります。

雪止め金具の設置費用は?

雪止め金具の設置費用は、業者や設置する屋根の状態によって異なります。

使用する雪止め金具の素材、設置する個数によっても違います。

相場の参考としては、アルミ製の雪止めアングルの設置で15〜20万円程度です。

後付けの場合、足場の設置にかかる費用が約10~30万円が追加でかかります。

屋根の修理と同時に雪止め金具の施工を行うことで、足場の設置費用が一度で済む利点があるので検討してみるのもおすすめです。

無料で見積もりを出してくれる業者も多いので、一度見積もりを依頼してみてください。

雪止め金具を設置するときの注意点


雪止め金具を設置するときには、下記の点に注意してください。

・雨漏りする可能性がある
・雪止め金具で支えきれない場合がある
・屋根材によっては後付けできない
・信頼できる業者へ依頼する

落雪防止に効果的な雪止め金具ですが、雨漏りの可能性があったり後付けできなかったりするケースがあります。

注意点を理解したうえで、取り付けることが大切です。

雨漏りする可能性がある

経験不足の職人が雪止め金具を設置すると屋根が破損し、その部分から雨漏りするケースがあります。

金具タイプの雪止めは、屋根材の隙間に金具を差し込み、シーリングを注入して固定します。

差し込み方が悪いと屋根を傷つけてしまいかねません。

雨漏りすると屋根全体の寿命が短くなり、住宅の劣化が進行するため危険です。

実績や経験豊富な業者へ依頼し、施工不良を防ぐ必要があります。

雪止め金具で支えきれない場合がある

雪止めは必ず雪をせき止めてくれるわけではありません。

雪が多量だと支えきれず落雪する場合があります。

雪止め金具を設置しているからと安心しきっていては、思わぬトラブルにつながる可能性があるため危険です。

積雪のある間は屋根の状態を定期的に確認しておくと、すぐ異変に気づけます。

屋根材によっては後付けできない

雪止めの後付けができない屋根は下記2つです。

・シングル屋根
・防水屋根

シングル屋根はアスファルトとガラス繊維が原料のシート屋根で、防水屋根は傾斜がほとんどない平たい屋根です。

どちらも雪止めを差し込む隙間がなく取り付けできません。

形状的にも落雪のリスクが少なくすみます。

雪止め金具を設置するときには、後付けできる屋根なのか確認しておくことが大切です。

信頼できる業者へ依頼する

手抜き工事をしたり、高額請求したりする悪徳業者には注意が必要です。

施工後にトラブルが発生する恐れがあります。

万が一、屋根の破損や雨漏りが発生すると修理費用が必要です。

すぐに雪止めが壊れると落雪を十分に防止できず、余計な料金を払うことになる可能性があります。

信頼できるところへ依頼できるように、業者選びは慎重におこなうことが大切です。

優良業者の選び方

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優良業者へ依頼するために、選び方のポイントを紹介します。

・建設業許可をもっている
・リフォームパートナー協議会(RECACO)に加盟している
・地域に密着している
・自社職人がいる
・国家資格を所有している

それぞれ詳しく解説するため、業者選びの参考にしてください。

建設業許可をもっている

建築業許可は500万円以上の工事を請け負うのに必要です。

雪止め金具を設置するときにはあまり関係ないものですが、建設業許可があると一定の基準を満たしている証明となります。

あるほうが安心できるため、業者を選ぶときには確認しておくことがおすすめです。

リフォームパートナー協議会(RECACO)に加盟している

RECACOとは住宅リフォーム事業者団体登録制度のことです。

日本最大の建設従事者組合の団体をいいます。

安心してリフォームができる環境を整備するため、国土交通省によって創設されました。

登録している団体は、教育研修を受け人材育成を進めているため信頼できます。

RECACOに加盟しているとロゴマークが使用できるため、選ぶ際の判断基準にしてください。

地域に密着している

長く同じエリアで営業している業者は地域の特性を理解しています。

その特性に合わせて最適な工事内容を提案してくれるため、施工不良が少なくなる点がメリットです。

業者と同じ地域に住んでいるなら、急なトラブルでも柔軟に対応してくれる場合もあります。

万が一、不安やトラブルがあったときでも安心です。

自社職人がいる

多くの場合、自社職人がいる業者は工事費用が安くなります。

リフォーム会社やハウスメーカーは仲介料や手数料といった中間マージンが発生するからです。

自社職人がいる業者ならマージン不要で、そのぶん費用を抑えられます。

さらに職人を自社で雇っているということは、外注している業者よりも高い信頼性があります。

想定外の出費を抑え、安心して工事を任せるなら自社職人への依頼がおすすめです。

国家資格を所有している

資格所有者は経験のほか知識もあります。

資格がなくても技術力のある業者は多くいますが、安心して工事を依頼する際の判断基準となります。

屋根工事に関わる主な国家資格は下記のとおりです。

・建築板金技能士
・施工管理技士
・かわらぶき技能士
・建築士

業者を選ぶときの参考にしてみてください。

雪止め金具に関するよくある質問

雪止め金具を検討している人によくある質問を紹介します。

・雪止め金具は太陽光パネルと併用できない?
・雪止め金具の設置はDIYできる?

ぜひ参考にしてください。

雪止め金具は太陽光パネルと併用できない?

太陽光パネルが設置されている屋根は、設置状況によっては雪止めが取り付けられないケースがあります。

たとえば太陽光パネルの設置状況によっては、後から雪止めを取り付けることができません。

屋根の先端まで太陽光パネルをつけている場合は最下部を撤去して雪止めを付けなくてはいけないからです。

太陽光パネルを設置した後に雪止めの取り付けをするのは、安全面を考慮すると非常に危険です。

太陽光パネルが屋根の軒先側の端まで設置されている場合は、雪止め金具ではなく雪止めネットの活用を検討しましょう。

雪止めネットなら太陽光パネルをそのままに、落雪防止に対する高い効果が期待できます。

雪止め金具の設置はDIYできる?

DIYでの雪止め金具の設置は不可能ではありませんが、おすすめはできません。

なぜなら作業中の落下事故に発展する危険性が考えられるからです。

知識のない人が作業すると屋根の故障や雨漏りの原因になることがあります。

正しく設置できずに、雪止めの効果を発揮できない可能性も十分に考えられます。

既存の屋根材の劣化が進んでいる場合は、雪止め金具を取り付けるよりも先に、屋根の修理が必要です。

雪止め金具の設置はDIYではなく業者に依頼しましょう。

落雪被害を最小限にするために雪止め金具は必要

雪止め(瓦棒屋根 羽根付き)3

落雪被害を最小限にするためには、雪止め金具の設置が必要です。

新築で検討するなら先付け雪止め金具がおすすめですが、後からの設置も可能です。

ただし雪止め金具と太陽光パネルの併設は難しいので、その場合は雪止め金具ではなく雪止めネットの設置を検討しましょう。

あとから雪止めでは、雪止めネットの中でも効果が高い「落雪ストップ」をおすすめしています。

ご希望にあった雪止めを設置できるので、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。

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内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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