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コラム

雪下ろし不要!無落雪屋根の種類や特徴、メリットとデメリットを解説

無落雪屋根(ルーフフラット方式)の写真

雪を落とさずに自然にとかして処理する屋根のことを、無落雪屋根と言います。
落雪の心配がなく、雪下ろしなども必要ないために積雪量の多い地域で人気の屋根です。

雪に悩まされることの多い地域の住宅に採用するにはメリットの多い無落雪屋根ですが、デメリットも存在します。
後悔しないために事前に欠点を理解した上での採用が重要です。

この記事ではそんな無落雪屋根について、種類や特徴からメリット、デメリットまでを詳しく解説していきます。

雪が落ちない屋根?無落雪屋根の種類と特徴

無落雪屋根(スノーダクト方式)の写真

無落雪屋根とは名前の通り落雪しない構造の屋根で、上部に雪を乗せたままとかして水にしてから排出します。
いくつか方式があるため、まずは無落雪屋根の種類について知っておきましょう。

ルーフフラット方式

平らな屋根をほぼ水平に設けることで雪を屋根の上に乗せたまま維持するのが、ルーフフラット方式の無落雪屋根です。
屋根を水だけが流れる程度にわずかに傾斜させることで、雪どけ水や雨を排水します。

スノーダクト方式

屋根の中央部分に排水用のダクトを設置し、中央に向けて屋根の勾配を付けることでダクトに雪どけ水や雨を集める方式です。
屋根から雪や水がこぼれないため、近年無落雪屋根の主流となりつつある方式です。

勾配屋根方式

雪止めと一体化した勾配屋根材を使用して、通常の屋根同様に勾配を付けて施工した、通常の三角屋根よりも雪が落ちにくい方式です。
勾配の付いた一般的な屋根に雪止めを設置することでも簡易的な無落雪屋根になります。

無落雪屋根を採用するメリット


既存の屋根から無落雪屋根にすると、雪下ろしが不要になるだけではありません。
無落雪屋根の設置には以下のようなメリットがあります。

・落雪事故を防止できる
・除雪や雪下ろしの負担が軽減される
・土地が有効活用できる

それぞれの内容を解説します。

落雪事故を防止できる

無落雪屋根は屋根上で雪を溶かして排水するため、落雪事故を引き起こしにくいことが大きなメリットです。
よく見かける三角屋根は雪が滑りやすい形状になっています。
しかし、無落雪屋根は雪がその場に留まります。
排水経路に問題がない限りとけた雪は適切な場所に流れてくれるので、落雪の心配はあまりありません。
敷地が狭い、隣家との距離が近い場合に無落雪屋根は向いているでしょう。

除雪や雪下ろしの負担が軽減される

無落雪屋根は、屋根から落ちた軒下の雪の除雪や、屋根の上の雪下ろしが不要になります。
積雪量の多い地域だと住人の負担が大幅に軽減されるため、大きなメリットと言えるでしょう。

土地が有効活用できる

無落雪屋根によって屋根からの落雪の心配が減り、土地を有効活用できるようになる点もメリットです。
屋根から落ちた雪のために除雪用スペースを確保する必要もありません。

無落雪屋根を採用するデメリット

無落雪屋根は下ろしを必要としない便利な屋根ですが、デメリットも存在します。
以下に挙げるデメリットも把握して、自宅への採用を検討しましょう。

・建物全体にかかる負荷が大きくなる
・雨漏りのリスクが高くなる
・太陽光パネルの併設が難しい

それぞれの内容を解説します。

建物全体にかかる負荷が大きくなる

屋根の上に積もった雪の荷重により建物に負荷がかかり、壁が歪んでドアや窓が開きにくくなる場合があるというのが、無落雪屋根のデメリットです。

無落雪屋根が正しく施工されていないと、屋根そのものが陥没してしまう危険もあります。
屋根の強度を確保するため、知識と実績が豊富な信頼できる業者に施工を依頼しましょう。

雨漏りのリスクが高くなる

通常の屋根に比べて雨漏りのリスクが高くなるのも無落雪屋根のデメリットです。
無落雪屋根は屋根の上で雪をとかすため、排水が十分でないと雨漏りにつながります。

特に、スノーダクト方式の屋根はダクトが詰まることにより雨漏りするケースが多いため、定期的なメンテナンスが必要です。

太陽光パネルの併設が難しい

平らな形状をしている無落雪屋根と太陽光パネルの相性はあまりよくありません。
太陽光パネルの上に雪が積もってしまい、通常の性能を発揮できないためです。

また、太陽光パネルは屋根に穴をあけて固定するため、雨漏りする可能性もあります。
さらに、無落雪屋根専用の太陽光パネルを設置する場合は施工費が割高になりやすいです。
「冬以外で使用できたらいい」「高くても設置したい」と考えている場合は、業者とよく相談してから決めるとよいでしょう。

無落雪屋根を採用する場合の費用相場


既存の屋根から無落雪屋根にするための費用相場は、100~450万円ほどです。
設置費用は屋根の形状や大きさ、作業内容によって異なります。
スノーダクト方式やフラットルーフ方式など、どの種類にするかでも費用は変わります。

また、無落雪屋根にリフォームする際、効率よく融雪するために専用の設備を入れる場合もあるでしょう。
形状を変えるだけではなく、設備も一緒に採用するとなれば、施工費用はより高額になります。
無落雪屋根の設置を検討している方は、一度見積もり依頼をするのがおすすめです。

無落雪屋根の設置はどの業者に依頼する?


無落雪屋根の設置ができる業者は主に以下のとおりです。

・屋根工事の専門業者
・リフォーム会社
・地域の工務店

それぞれの特徴を解説します。
信頼できる業者を見つけて、無落雪屋根を導入しましょう。

屋根工事の専門業者

無落雪屋根の設置で一番に検討する依頼先は、屋根工事を専門に取り扱う業者です。
屋根の専門業者であれば、知識や技術が確立されており、施工経験も高い傾向にあります。
しかし、中には知識だけ保有しており実際に施工はしたことがないケースもあります。
業者を選ぶ際は、無落雪屋根の施工実績があるかどうかもチェックしましょう。

特におすすめの専門業者は、施工経験が豊富な建築板金業者です。
屋根に関する国家資格を取得した職人が複数在籍しているため、安心して任せやすいのが利点です。
近くで営業活動しているか知りたい場合は、インターネットで「地域名 建築板金業者」で調べてみるとよいでしょう。

リフォーム会社

リフォーム会社でも無落雪屋根の工事に対応できるケースがあります。
リフォーム会社は、さまざまなリフォーム工事を取り扱えるように、数多くの下請け業者とつながっています。
無落雪屋根の依頼があれば、屋根工事の専門業者を紹介してくれるのです。
ただし、間にリフォーム会社が入ることで、直接業者へ工事を依頼するよりも割高になるデメリットがあります。
屋根以外にも外壁や内装などまとめて依頼したい場合に、リフォーム会社が向いているでしょう。

地域の工務店

新築時に工務店を利用した場合は、リフォームも対応してもらえないか相談してみるのもひとつの手です。
直接施工はできなくても、屋根の専門業者を紹介してくれる可能性があります。
お世話になった工務店からの紹介であれば信頼して依頼しやすいでしょう。
どのような屋根に仕上げたか記録も残っていると、スムーズな段取りができます。
しかし、仲介手数料が発生することが大半のため、直接依頼するよりも高くなる可能性がある点は念頭に置いておきましょう。

無落雪屋根の施工費を抑える方法

雪止め8(カラーベスト 扇形)

無落雪屋根にかかる施工費は高額です。
少しでも費用を抑えたい場合は、以下の方法を試してみましょう。

・相見積もりを活用する
・補助金や助成金を活用する

それぞれの活用方法を解説します。

相見積もりを活用する

無落雪屋根の設置にかかる費用を少しでも抑えたい場合は、相見積もりを活用してみましょう。
相見積もりは、複数の業者から見積もりを受け取る行為です。
複数の見積もりを比較できれば、相場から外れた金額で依頼する事態を避けられます。

ただし、依頼先を決める際は金額だけでなく、担当者の人柄で選ぶことも重要です。
金額が適正であっても、スケジュール管理が不十分だったり丁寧な対応をしてくれなかったりすれば、安心して任せられません。

また、「なるべく多く相見積もりをしよう」と考える方もいると思いますが、なるべく2社に収めましょう。
見積もりの数が多くなると、逆に比較がしづらくなるためです。

補助金・助成金を活用する

自治体によっては、雪下ろしの負担軽減や危険を回避するために、屋根工事に活用できる助成金や補助金制度が用意されています。
補助金や助成金は、条件を満たせば工事費用の一部を負担してもらえます。

ただし、すべての自治体に助成金や補助金制度があるわけではないので、一度住んでいる地域の制度を確認してみましょう。
通常は自治体のホームページに助成金や補助金制度の情報が記載されています。

無落雪屋根の設置が難しい場合はどうする?

雪止め接着(カラーベスト 扇形)

無落雪屋根の施工を躊躇する場合は、雪止めの設置がおすすめです。
既存の屋根から無落雪屋根にリフォームするよりも費用を抑えられ、あまり見た目を変えずに落雪対策ができます。
屋根に設置する雪止めの種類は以下のとおりです。

・雪止め金具
・雪止めネット
・雪止めフェンス

それぞれの特徴と設置費用を解説します。

雪止め金具を設置する

雪止め金具は、屋根の上に設置して落雪を防止する金具です。
形状は大きく3つに分かれ、「扇型」「羽つき」「アングル」の3種類があります。
雪止めの設置にかかる費用相場は15~20万円ほどです。

扇型は、丸みのあるシンプルな形をしています。
落雪対策としての効果は低めですが、景観を損ねにくいことが利点です。

羽つきは、羽のように横へ広がった形になっています。
扇型よりも雪を受け止められる面積が大きくなるので、雪止めとしての効力は中間です。

アングルは、細長い金具が屋根を横切る形で設置されます。
隙間なく設置できるので、落雪防止の効果はもっとも高いと言えるでしょう。

雪止めネットを設置する

雪止めネットは、屋根の先端に設置して落雪を防止するネット状の雪止めです。
設置にかかる費用相場は15~46万円ほどです。
金具よりも多くの雪を受け止められるため、敷地内や隣家に落雪するリスクは低くなります。

ただし、屋根の先端近くに太陽光パネルがあると、施工が難しくなるケースもあります。
自宅に太陽光パネルを設置している方は、業者と相談しながら雪止めネットの採用を検討するとよいでしょう。

なお「あとから雪止め」では、落雪対策におすすめな「落雪ストップ」を取り扱っています。
施工業者だけでなくメーカーからも保証を受けられる製品なので、雪止め選びに迷った際はぜひご検討ください。

雪止めフェンスを設置する

雪止めフェンスは、地上へ設置して落雪を受け止めるためのフェンスです。
隣家や道路に雪が入らないようにすることが目的なので、落雪の防止はできません。
どうしても屋根に雪止めが設置できない場合に採用を検討するとよいでしょう。

雪止めフェンスにかかる設置の費用相場は70~110万円ほどです。
費用は敷地の広さやフェンスの高さなどによって変動します。
工事費用がほかの雪止めより高い理由は、基礎工事が含まれているからです。
雪がぶつかる衝撃に耐えられるように、コンクリートでできた基礎が必要になるため、工事費用が高額になっています。

業者と相談して無落雪屋根の採用を検討しよう!


多くのメリットがある無落雪屋根ですが、軽視できないデメリットもあります。
お住まいの地域や雪下ろしの手間、メンテナンス費用などを考慮して、無落雪屋根の欠点を踏まえた上で採用することが大切です。

一度、プロの業者に相談してみることがおすすめです。
無落雪屋根にするかどうか、どの方式を選択するか、屋根の専門業者と相談して利用を検討してみてください。

無落雪屋根ではなく雪止めの設置を検討している場合は、落雪を防ぐ「雪止め」って?雪止め工事に関するよくある10の質問をぜひチェックしてみましょう。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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