「あと付け雪止め金具」の種類と素材と選び方と価格(縦ハゼ葺き板金屋根編)
【板金屋根とは??】
まず「板金屋根」といってしまうと、とても抽象的な表現になってしまうのはご存知でしょうか?
実は一般住宅の「板金屋根」は下の表のような工法に区分けされます。
「板金屋根」とは文字通り「板状になっている金属の屋根」の事を指し、切ったり、曲げたり、継いだり等、とても加工しやすい(色々な形状の屋根に対応することができる)のがこの「板金屋根」です。
現在の一般住宅で特に多い工法は赤色で記載した「横葺き(よこぶき)」「瓦棒葺き(かわらぼうぶき)」「縦ハゼ葺き(たてはぜぶき)」です。
また一般住宅で使用頻度の高い板金屋根の素材は「ガルバリウム鋼板」「ステンレス」「銅板」の3種類ですが、最も多いのは「ガルバリウム鋼板」で、現在では「板金屋根=ガルバリウム鋼板の屋根」だと思っていただいて結構です。
ここでは「ガルバリウム鋼板製屋根」の「縦ハゼ葺き(たてはぜぶき)」の雪止めについてをご紹介します。
また別に「立て平葺き(たてひらぶき)」とう屋根材もありますが、類似商品になりますので同様と考えていただいて大丈夫です。
◯縦ハゼ葺き板金屋根とは
縦ハゼ葺き板金屋根とは、屋根が上から下までが一枚でつながっていて、材料の継手部分が板金屋根材同士、隙間なく組み合わせてある板金屋根のことを指します。
屋根材は見えなくなる部分でビスで固定されているので、雨漏りの心配はありません。
繋ぎ目がないので、緩勾配屋根に使用できるというのが、一番の特徴としてあげられ、現在新築住宅で多く使用されています。
具体的な商品名としては下記などがあります。
・タフビーム(月星商事)
・スタンビー(稲垣商事)
・デコルーフ(ビルトマテリアル)
◯縦ハゼ葺き板金屋根の雪止め取り付け
※下記記載している参考工事価格は足場の設置が不要の場合の金額となります。
足場設置が必要か、そうでないかは各施工業者さんで異なりますので、施工者さんに現地調査をしていただいてください。
また参考工事価格も同様に各施工者さんで異なりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
①羽根付き雪止め
後付けの雪止めの材料のひとつです。
この雪止めは羽根が生えたような形になっているので、「羽根付き」または「羽付き」といいます。
この雪止めは屋根の「桟(さん)」(凸部分)に取り付けることができ、平らな部分には決して付けてはいけません。
素材はステンレス・亜鉛メッキの二種類になります。
材料の金額が安いのは「亜鉛メッキ」、耐久性が高いのは「ステンレス」になります。
取り付け方法は、雪止めを屋根材の桟部分にはさみ、ボルトで締めればOKです。
今はガルバリウム鋼板の色が多彩なので、希望によっては同じ色の金具を注文して取り付けることも可能です。(特注になりますが)
縦ハゼ葺き屋根で施工されている家は新しい場合が多いので、せっかくなので美観を考えてみてはいかがでしょうか。
【施工例】
参考工事価格(材料・工賃)は一般的な大きさの家であれば10万円~20万円程度になります。
②L型アングル雪止め
この雪止めは特別な専用の金具を先に付け後からアルミアングルを差し込む工法になります。
羽根付きの雪止めより隙間がない分、効果がありますが価格的に高いという特徴があります。
まずアングル取り付け用の雪止め金具を桟に取り付けます。
この時、ボルトを締めつけ過ぎないようにトルクを調整しながら丁寧にボルト締めをします。
取り付けた金具にアルミ製のL型アングル(断面がLになっているのでこういう)を乗せ、ツメで固定して完成です。
アルミアングルの高さは4センチで、雪を受け止めてくれるには十分な高さです。
屋根が上から下まで滑り台のような形状になっている屋根なので、屋根に雪が積もると雪がとても滑りやすくなります。
アングル雪止めは隙間なく一本になっているので、羽根付き雪止めよりも耐雪効果があると考えられます。
参考工事価格(材料・工賃)は一般的な大きさの家であれば15万円~25万円程度になります。
※工事価格は屋根の形状・傾斜・大きさ・金具の量・周辺環境によって変動いたしますのでご注意ください。
※詳しくは電話・メールにてお問い合わせをいただければGoogleのストリートビューにてすぐに簡易見積りが可能です。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。